終末期りはびりドリッパー

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緩和ケア作業療法のコツ②触れるということ

脳血管障害や運動器リハ、そしてがんリハなどどの場面においても患者さんに「触れる」場面があります。

 

「患者さんの肌に触れる」

 

だけでなく、

 

「患者さんの心に触れる」

 

ってこともできます。

「緩和ケア作業療法のコツシリーズ」の2回目は「肌に触れる」ことに焦点を当ててみます。

 

触れること

猿が行う毛づくろい

とても気持ち良さそうですよね。

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この毛づくろい。「グルーミング」といいます。

シラミ取りといった身体を清潔に保つための行為であったり、上下関係の序列を意味していたりなどいろんな効果があるといわれています。

 

中でも人間に関係しているのが、「セロトニン」です。

セロトニンって?

セロトニンは「共感脳」とも呼ばれます*1

セロトニンは、

  • 朝の目覚めが良くなる。
  • 平常心が維持できる
  • 痛みが軽減する
  • 良い姿勢が維持できる

などの効果が得られます。

特に痛みの軽減に関しては終末期リハの場でも有効になりそうですね。

 

「触れる」ということは安心感を与えるだけでなく、「セロトニン」という脳内物質を増やすためにも有効といえます。

触れる圧は弱めに

終末期患者さんでは肌の脆弱性により、「スキン-テア(皮膚裂傷)」が起こりやすいです。また浮腫や全身の筋力低下もあり、痩せています。

そのような方に対して、指先に力の入れた強い触れ方は不快や痛みを伴いやすいです。

 

触れる時は指先に力は入れず、手のひらで触れるといいです。

関節可動域練習を行う際にも意識したいコツです。

 

スピードはゆっくりめ

終末期における関節可動域練習で意識しなければいけないことはなんでしょうか。

関節拘縮の予防のためが目的になりそうですが、注意する点としては痛みを出さないことです。痛みを生じさせないためにもゆっくりと動かすことは有効であると思います。

この「ゆっくり」は触れることにも有効で、秒速5秒でなでるように触れていくことはセロトニン神経を活性化させる効果もあります。

 

限られた時間の中でもその人が気持ちの良い時間を創出していけるといいですよね!

 

 

触れるためには自分の手を大切に!

実は僕の手、暖かい方なんです。

普段からあまり冷やさないように注意をしています。

www.uta-reha.com

 

突然冷たい手で触れられたらびっくりするだけですよね。

暖かい手で触れるためにも暖かい手になるための日頃の準備が必要ですが、

一番意識したいのは、介入前の手洗いです。

 

冷たい水で手を洗ったあとは絶対冷たくなっているので、直後に行くことをなるべく避けたり、少し手を温めるような工夫をしてから介入できるようにしてはいかがでしょうか。

 

おまけ:身近な人を触れてみる

終末期患者さんと触れることはかなり神経を使って疲れを感じてしまうこともありますよね。

そこでご提案。

まずはパートナーや友人を触れることをしてみてはどうでしょうか。

これ、結構喜ばれます。笑

更には触れているこちら側も癒されていることが少なくありません。

寝る前のマッサージは最近夫婦の日課になっています。

マッサージする側ですが…笑

でもマッサージをした後は僕もすんなり寝れています。

疲れ果ててもあるかもしれませんが…笑

 

でもお互いを理解し、感謝の気持ちも込めてマッサージをすることも大事なのではないかなーって思います。

 

 

 

Uta

*1:参考:山口創,人は皮膚から癒される,草思社