終末期りはびりドリッパー

自分らしく生きるため、生きてもらうための知識や経験をドリップ。

リハビリでも起こりやすい「バーンアウト」とその対処方法とは?

リハビリは回復して退院に関わる場面だけでなく、時には死に向き合う場面も少なくありません。

特にがん患者や筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者さんは長い経過の中で様々な関わりをすることが多いですので亡くなった時にはセラピストの悲しみや辛さは計り知れないものがあるのではないでしょうか。

がんや難病に限らず、昨日まで笑顔で話していた患者さんが突然なくなったり…といった場面も起こるかもしれないですね。

中には仕事が続けられなくなる、「バーンアウト」というものもあります。

 

高校生の体育祭が終わったあとの喪失感…これも「バーンアウト」ですよね。

いわゆる燃え尽き症候群です。

 

今日は「バーンアウト」について学びます。

 

 辛いから起こりやすい

「死にたい」という患者さんや辛さを訴える患者さんに対して、セラピストも辛さ悲しみ感じます。どのように関わればいいのかわからなくなることもあります。

そして何をしても苦痛が緩和されないことに無力感を覚えます。

 

終末期や寝たきりの人と関わると、

  1. ADL全介助で改善できることは何かを模索する
  2. 維持を目的とした関わり
  3. 毎日同じリハビリを繰り返す
  4. 何のために行なっているのかわからなくなる
  5. 患者さんが退院(死亡退院)される
  6. バーンアウト

の流れでバーンアウトは起こりやすいと思います。

 

僕もずっと関わっていた患者さんがなくなった時は辛くて、

どうしていいのかわからなくて、

階段を登る足取りは重たくて…

 

とても辛い時間を過ごしていたことを覚えています。

あの時はがんリハスタッフも数名しかおらず、OTスタッフは僕だけでした。

PTへの相談はできていたものの、OTとしての様々な試みが果たして正しいのかはわからず、いつも悩んで過ごしていました。

 

まさに僕のこのような症状は「バーンアウト」に近い状態だったのかもしれません。

今でも様々な悩みに直面する場面が少なくありません。

 

www.uta-reha.com

 というか作業療法士として働いていく以上、患者さんと関わる以上、

常に難しいことに直面することが普通なのかもしれません。

 

でもやはりバーンアウトにならないように防がなければなりません。

どうしたら防ぐことができるのか。

まずはどのようなサインがバーンアウトにつながるのかを知る必要があります。

 

共感疲労のサイン

エキスパートナース どうするといい?がん終末期ケア,照林社では、

「バーンアウト」につながりやすい共感疲労のサインを挙げています。

・他者に親切にできない

・慢性的な疲労感やいらだちを感じてしまう

・考えたくないことを考えてしまう

・不眠、不安傾向になる

・飲酒、食事量が増加する

・仕事や病室に行きたくない

・生活のなかに楽しみ、喜びが見出せない

・モチベーションが低下する(生産性が低下したり、欠勤・離職が増える)

関わっているその人に共感しようと思えば思うほど、共感疲労につながりやすい危険性が考えられます。

僕はその当時、この共感疲労のサインの

・慢性的な疲労感

・仕事や病室に行きたくない

・モチベーションが低下する

症状が現れていました。

その他にも

頭痛や腰痛などの身体症状も現れていましたね…。

 

それではいよいよ対処方法です。

対処方法は表出!

悩みを抱え込む…

そして自己啓発本を読み込む…

 

そんなことを繰り返していたぼく。

でも変わりありませんでした。

 

対処方法は『表出』です。

僕の職場ではがんリハチームを作り、何かあれば相談のできる場をつくっています。

担当同士の相談に留めずに、チーム全体で情報を共有することで、違った視点からアドバイスができたり、抱え込まないように心がけています。

中には亡くなった患者さんを振り返る「デスカンファレンス」を開催したり、職場全体でサポートする体制もあるとは思います。

まずは表出できる環境をつくることが「バーンアウト」を防ぐためには重要です。

 

共感疲労を共感してもらうことで成長しよう!

何に悩んだのか、どうすればよかったと考えていたのか、その患者さんはどのような人だったのか、とにかく相談してみましょう。

そして患者さんの悩みだけでなく、自分の今の身体の気持ちや心の状態を表出しましょう。

 

共感し合うほど、チームとしての結束力も高まりますし、より一層患者さんに対して次は何をしよう、何ができるだろうと考えることができるはずです。

 

もしなかなか言えないことがあったら、僕にでも構いません。

ちゃんとしたアドバイスはできませんが、聞くことぐらいはできます。

 

 

トータルペインを活かす

 トータルペインを活かす

表出の他にはトータルペインを理解し、活かすことも大切です。

トータルペインとは身体的苦痛だけでなく、精神的な苦痛や社会的苦痛、スピリチュアルペインといったものの総称です。

終末期の繰り返される同じ代わり映えのないリハビリ 。

これらを打開するには、トータルペインから考えてみると良いです。

 

www.uta-reha.com

 

機能面、活動面の視点から一度離れ、その人の苦痛に着目する。

  • 24時間ずっと寝ていることを想像してみたり
  • 僕たちのように毎日お風呂に入れないことを想像したり
  • 家族に対してどのように考えているのかを考えてみたり
  • 今現在、不安に思っていることはないのかを考えたり

様々な視点でその人のトータルペインを把握しようとすると作業療法士として多様な介入ができるのではないでしょうか。

代わり映えのないリハビリから脱却する可能性があります。

 

表出とトータルペインの視点で作業療法をうまく活用していきたいですね!

 

 

Uta

f:id:abytskrice:20190116221534j:plain