終末期りはびりドリッパー

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「何もしたくない」という患者さんにiPadを使った話【Wi-Fi環境なしでシンプルに】

ALSの方を長く担当していると、その症状の進行を実感せざるをえません。

筋力は低下し、四肢の動きはほとんどなくなり、筋力低下から表情の変化も乏しくなっていることが感じられました。

 

テレビも見ない。

ベッドごとの散歩もしない。

意思伝達装置の使用もしない。

悩んでいるようにみえても、悩みを聞くことができない(返答が得られない)…。

 

年末ではこんな悩みもありました。

 

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いつも何ができるのかと考え、関わることの大切さを学ぶことができています。

 

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ご本人が一番辛いですが、こちら側も不甲斐なさに辛さを感じてしまいます。

何かできないものか…というのは患者さんの辛さをなんとか救いたいという気持ちの一方で、自分の辛さをどうにかしたいという部分も正直感じてしまいます。

ですが、その患者とは長い期間の関わりの中でリハビリを行うことを大切にされている方でしたので、24時間のうちのリハビリの時間だけでも安らげる時間になってもらいたいと思いました。

 

何ができるかを考えました。

 

そこで思いついたことがタブレット端末の利用。

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当院にはiPadがあります。

何も表情が変わらないかなという不安ももちろんありましたが、

微笑んでくれました。

 

わずかな微笑みでしたが、その瞬間だけでも嬉しい気持ちでいっぱいでした。

 

そこで自分が行なったiPadの活用方法について書いてみたいと思います。

 

iPadでのリハビリ活用方法

様々なアプリがあり、手書きで筆談したり、意思伝達を行なったりすることができます。アプリをダウンロードすれば活用できるのは間違いありませんが、有料アプリもあり、購入が難しい現場の問題も存在するかと思います。

そして使用する場自体に「Wi-Fi」のネット環境がないことは「インターネット検索をしたい」という人に対して難しいですと言わざるをえないかと思います。

ネット環境を導入するにはアプリを購入する以上に費用がかかると思うので、難しいと思います。

Wi-Fiが使えないから「iPadは使えない」わけではない 

ではそのような環境がどうしても使えない場合に使っている方法。

それはシンプル、『写真を撮る』『動画を撮る』『音楽を聞く』です。

写真を撮る

はじめにお話した患者さんに当てはめます。

何もしたくないのは何か原因は探る必要はありそうですが、これまでは散歩を希望されることもありました。

そしてiPadを使おうと思った日はちょうど雪が積もった日。

雪が積もった景色を寝たまま見てもらおうと思いました。

 

iPadの大きいディスプレイのおかげで目を凝らすことなく、見ることができますし、必要に応じて拡大や縮小(ピンチイン・ピンチアウト)も使って見やすいように操作できます。

カメラ機能でいえば、『パノラマ』機能があるので、広い範囲を撮影しておけば綺麗な景色を見てもらうことができますね!

 

その患者さんは積もった雪に驚きの表情を見せてくれました。

 

動画を撮る

これはまだ実践できてはいませんが、ご家族の許可がもらえるのなら動画をもらって見てもらうこともできるのではないでしょうか。

また、普段の患者さんの様子などを撮影してご家族にみてもらうことは行なっています。なかなかリハビリを見学できないご家族にお会いしたときに見てもらうことができます。特殊な方法で移乗している方などの場合は退院前カンファレンスなどの場で多職種で動作方法を共有するためにも使用できます。

実際の場面で見てもらうこともしますが、その日に限って体調が悪い時もあるので、撮りためておいたりもします。

音楽を聴く

これはiPadというよりは僕自身のスマホを許可を得て使用しました(ネット利用をするるため)。

以前行なった方法でしたが、ジャズの聞きたい患者さんがいたときにリハ室にジャズのCDがなく、どうしようと悩んだときに思いついた方法です。

『YouTube』を使って検索して音楽を流しながらROMエクササイズを行いました。

僕自身も癒されたいい思い出でした。

 

タブレットを持っている方はどんどん活用しよう!

ベッドでずっと過ごしていて、それでも部屋からは出たくない。

何ができるのかといったときに、iPadなどのタブレット端末の活用は一つの打開策になるのではないでしょうか。

自室が過ごしやすい環境になると痛みや不安などの軽減にもつながるかと思います。

病院の環境によってはタブレットがなかったりするところもありますが、

タブレットがなくても違った関わりができる!というのもあるかと思います。

 

これからも様々な引き出しを持って僕も関わり方をみつけていきたいと思います。 

 

Uta