終末期りはびりドリッパー

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終末期におけるリハビリ〜無言になってしまうことは悪いことなのか?〜

終末期の患者さんと関わっていると、

会話に困ることはありませんか?

 

僕は結構、無言になってしまうことがあって、

何を話せばよいのか悩んでしまうことがありました。

 

あ、今でも困る場面があります。

 

悩めば悩むほど、天気のことやテレビの話題などありきたりな話題しか

頭に思い浮かばず、苦しむことが多々あります。

 

僕がただ単に未熟なだけなのかもしれません。

 

リハビリ介入している時間は様々な会話を織り交ぜていったほうがいいのでしょうか。

それとも無言になることもいいのでしょうか。

考えてみることにします。

 

 

会話の技術

会話していく基本として、こちらが参考になりました。

co-medical.mynavi.jp

 

限定された返答を導く『クローズド・クエスチョン』を行い、

『オープン・クエスチョン』でよりその人の本音に近づく。

そこには『傾聴』という技術も必要になってきます。

基本的には部屋に入ったら、挨拶は行いますし、

その人と関係性を構築していくためにも会話は重要なスキルといえます。

 

また、これまでの人生をどのように過ごしてきたのかといったことや、

今後どのように過ごしていきたいのかという部分は

把握する必要がありますね。

 

無言はだめなのか

それでは無言の時間は少しでもあってもだめなのでしょうか。

僕自身思うことは無言でもいいこともあるということです。

 

 

体験談と絡めると

インフルエンザで熱が出てしんどい時に天気の話なんてされても

「関係ない」と思うでしょうし、

朝眠たいのに無理やり起こされて会話の困ったセラピストが、

「昨日はこんなことあったんですよー」

なんて言われたら、それこそ

「うるさいわ」

とも思ってしまいそうです。

 

 

ですが、終末期で苦痛を感じている場合に、

または話をしたくない時に無理に会話をされることは余計な苦痛を感じてしまうのではないか…とも思うのです。

 

苦痛を感じている時はそっとその場にいて触れてるだけでもいいのではないでしょうか。

 

終末期において無言で手や足に触れている関わりであっても、その時間だけは安心して過ごせる人も多くいました。

家族からも「さっきまで苦しそうな顔していたのに今は楽そうです」と言われたこともありました。

 

セラピストの判断で無言はいい?

本人が安心していたり、家族が満足されていたとしても、部屋に入ってすぐに無言のまま触れたり、ただ、

「マッサージしますね」

と介入するのには違和感を覚えます。

「今日はゆっくりしていたいですか?」

などと一声かけて本人と確認することは必要であると思います。

 

それはセラピストが

「ラクにしていたいだろう」

という勝手な決めつけや判断でマッサージを選択しまいかねないからです。

「今日は歩きたいのに」

と思っているかもしれません。

本人がどう思っているのか、確認する必要はありますし、表情やこれまでと比べてどうなのかという情報も大切になってきます。

 

触れることの効果

無言であっても触れているという時間はどのような効果があるのでしょうか。

 

赤ちゃんは母親から触れられることで体温を保つ効果や、安心感を与えると山口創氏の著書*1では記載されています。

人は皮膚から癒される

また同著では、皮膚には触れたものを感じる機能の他に、触覚を直接知覚する神経繊維があり、「触れて気持ちがいい」、「触れられて気持ちが悪い」といった感情と関わる神経繊維があると述べられています。

「触れられて気持ちが良い」と感じてもらうためには、

『ゆっくりと触れること』

ことが条件。

ゆっくりとはどれぐらいかというと、

秒速5cmほどといいます。

 

安らぎを与えるためには自分が安らいでいないといけない

この秒速5秒を行うには手をじーっとみながらゆっくりと行えばいい

というもんではないと思います。

 

触れる圧

手の緊張

なども触れる強さとして影響するからです。

ゆっくり!と思えば思うほど、ゆっくりであっても力が入ってしまう可能性があります。

なので、ポイントは

「自分がゆったりとしていること」

になるのではないでしょうか。

 

セラピストの緊張が相手に伝わってしまっては安らぐ時間ではなくなってしまいます。

穏やかな時間を過ごすためにも、セラピストの身体も穏やかにゆったりと。

 

リハビリ介入前から緊張していたら、こちらをご参考ください↓

 

abyt.hatenablog.com

 

 

たとえ無言であっても触れるということを介してその人に寄り添う気持ちを伝えてあげたいですね。そしてその結果安らぎや安心感を与えられるといいなぁと思います。

エビデンスに関しても調べていかないといけないですね!

 

無言も大切なテクニック

・無言も良い効果をもたらすと思われるが、それ以前に会話は大切。

・時に無言は相手の気持ちにそっと寄り添うテクニックになりえる。

・安らぎを感じてもらうためにはセラピストがゆったりとしていた方がいい。

 

本日もお読みいただきありがとうございました。

 

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Uta

*1:山口創『人は皮膚から癒される』,草思社