終末期りはびりドリッパー

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ナラティブとストーリーの違いってなんだろう。

 

 

ナラティブもストーリーも「物語」?

 

国立がん研究所によると日本で2017年にがんで死亡した人は373,334人(男性220,398人、女性152,936人)とのことで死亡原因の1位とされています。

 

僕も様々ながん患者と関わる機会がありましたが、どの人も「がん」であっても一人一人違う生き方でした。

 

緩和ケアでは知られたワードかと思いますが、本日はナラティブについてです。

 

このナラティブ。

和訳すると「物語」だそうです。

 

「物語」って「ストーリー」なはず。

 

さて、ナラティブとストーリーの違いはなんでしょうか。

1.ナラティブとは

 ナラティブについては岸本寛史さん著書の『緩和ケアという物語』でこう説明されています。

ナラティブ(物語)とは

「あるできごとについての記述を、何らかの意味のある連関によりつなぎ合わせたもの」

 

 

たとえ医療者が「こうだ!」「これが正しい」と思っていたとしても患者から「違います、こう考えているんです」って言われること、多くないですか?

 

この本では、「緩和ケア病棟は安楽死させてくれるところなので紹介してください」という考えをもった患者さんを紹介しています。病気に伴う様々な症状の緩和を行うことが緩和ケア病棟であることに対して、「安楽死する場」として捉えている患者さん、というこの違いに対して、患者に正しく説明するべきかどうか…。

 

僕ら医療者にとっては当たり前だったとしてもその人にとっては違うストーリーで作られている場合が少なくありません。

 

2.ナラティブとストーリーのちがいとは

  この違いに関してはどうも説明しにくいのですが、ナラティブ・ベースド・メディスン(NBM:Narrative baced Medsine)は、

病を人生という大きな物語の中で展開するひとつの物語として捉え、患者を物語の語り手として尊重すると同時に、医学的診断や治療法もあくまで医療者側のひとつの物語とみなして相対化し、両者をすり合わせるなかから新たな物語が生まれてくることを治療とみなす」という姿勢を基本におく医学・医療となる。

としています。

 

医療の視点からみた”一般的な”解釈だけでなく、その人の語りを大切にしながら治療を展開していくことが大切になってきます。

 

3.リハビリはナラティブでいっぱいだ。

 リハビリの対象となる人は実に様々です。同じ病気でも人によって症状や程度には大きな違いがあります。それに対してこの疾患のためのアプローチをしていても効果は出せないのではないでしょうか。その人のナラティブについて語ってもらい、それを聴き、リハビリに取り入れることができれば、治療の方法、介入するアプローチの仕方も実に多様になると思います。

 こう考えると作業療法士はその人の健康と幸福を改善させるためにその人のためのリハビリを提供していく部分ですごくナラティブな要素を含んでいますよね。

 ナラティブなリハビリをするためには、様子や表情などちょっとした変化を捉える観察力と語ってもらうことが大事かと思われます。 

 

 

Uta